おぼろ月夜

先日のカフェZさんでの記念展で、最後に展示させていただいていたのが、<おぼろ月夜>です。

父は菜の花が好きで、わたしに「菜々江」と名付けてくれました。「江」は、大きな川のことを言いますので、河川敷に咲くいちめんの菜の花が由来だそうです。

そして、この<おぼろ月夜>の絵を描いたのは、わたしではなく父です。

ただ、父の名前で販売するのを躊躇ってしまい、今までわたしの名前で皆さんにご紹介していました。

展示会の直前に、父に原画を貸してもらえるように電話して、次の日に手渡されたのが、下の「菜のはな」の絵です。(電話したあと描いたそうです。しかも日付入り)

父は菜の花の絵でしたら、何も見ずにいくらでも描くのです。

刺繍の菜の花と違ってしまったのもご愛嬌で、皆さまには笑い話でお話ししました。

この写真は、先日、甥の結婚式に出席した時に、妹が撮ってくれました。

父は、わたしがこの世で一番怖い人です。

この日は珍しく穏やかな顔をしていて、写真映りもまあまあなのです。

わたしが、どうにか仕事を続けてこれたのは、というか仕事を辞めなかったのは、父に何を言われるか怖くて、まだ仕事している方がましというのがありました。

学生の頃は、ちょっと風邪をひいても、

「たるんでるからだ!」と言われてしまう有り様で、本当に怖かったのです。

母が3年前に亡くなって、ずっと一人暮らしをしています。

父が弱みを決して見せないことに甘えているわたしかもしれません。

姫路市で行われる結婚式が午後3時からでしたので、昔、父が赴任していた龍野市に立ち寄りました。

わたしが半年ほど暮らした場所でもあります。(1歳でしたので覚えていないのですが)

こういう時、父は良くはしゃぎます。

龍野の名物の煮麺を食べながら、こっそり持って来ていた写真を見せてくれました。(住んでいた龍野の官舎だそう)

父の怖さは愛情表現の裏返しだったこと、今ごろ思います。

一番好きだった花の名前をつけてくれたことに感謝しています。